コンパクトなドラム式洗濯機の比較
我が家で8年間使用した洗濯機が故障したので、新しく買い換えることにしました。コンパクトなドラム式洗濯機をいくつか比較し、最終的に日立の「ビッグドラム(BD-SX110E)」を購入したので、比較内容を記事にまとめます。買い替えたのが一年前のため、情報が古い点があるかもしれませんがご了承ください。
8年間使用したパナソニックのプチドラムが優秀だった
もう今は生産終了していますが、パナソニックのドラム式洗濯乾燥機プチドラム(NA-VH300L)を8年間使用しました。購入した当時は、とりあえず小型という程度の理由で選んだのですが、賃貸マンションでもサイズを気にすることなく設置でき、乾燥方式が「ヒートポンプ式」と、衣類が痛みにくく光熱費も抑えられる方式で優秀な洗濯機でした。
我が家はほとんどの洗濯衣類を乾燥機で乾かしているのですが、毎日1〜2回の洗濯&乾燥で酷使し、フォルター掃除も割とサボっており(そのせいで2回ほどフィルターの大掃除をする羽目にはなりましたが…)、雑に使っていたものの8年間故障なく使用できかなり満足な製品でした。最後の半年は乾燥機能が弱くなり、あまり乾かなくなってしまったので買い替えに至りました。
洗剤の自動投入やAI機能など最新の機能に興味がなく、余計な機能は省いて良いのでコストを抑える方向で考えており(最終的には洗剤の自動投入やAI機能がついた製品を買っております…)、同じ系統の洗濯機が買えないか調べましたが、家電量販店のアウトレットでは古くても一つ前のシリーズ程度で、Amazonでは 中古のプチドラム(NA-VD100L-WやNA-VD110L-W)があるだけで、いつものようにビックカメラに足を運びました。
小型で乾燥に強く低コストな洗濯機がほしい
洗濯機を買うにあたり、要件を整理します。以下のとおりで、小型で乾燥がガンガンできて、コストを抑えられる洗濯機が良いということになりました。
- 最新の機能にこだわりはない。最低限の洗濯と乾燥ができれば良い。
- 賃貸マンションのためサイズを取れず小型が良い。
- デザインはシンプルなものが良い。
- 乾燥に強そうなドラム式が良い。が、縦型でも乾燥機能が優秀なら有り。
- 電気代と水道代が抑えられる方式が良い。
- 本体価格は安ければ安いほど良い。
洗濯容量7kg〜10kgほどが小型洗濯機
これまで使っていたプチドラム(NA-VH300L)は、洗濯容量7kg・乾燥容量3.5kgで、寸法が 633×1,023×595mm(幅×高さ×奥行)です。そのため洗濯容量7kg程度のを探すもののあまりなく、10kgほどの容量が入る洗濯機が小型のラインナップに多くありました。最近の洗濯機は、本体は小型のまま洗濯容量が大きくなっているということに気付き、少し驚きました。洗濯容量が7kg〜10kgほどの小型洗濯機を中心に検討することにしました。
乾燥に強いのは縦型よりドラム式
乾燥は洗濯のたびに必ず使うので、乾燥に強いドラム式洗濯機が良いと思いつつ、一応縦型の製品も確認しました。乾燥機能がある縦型洗濯機は、機能面で十分日常的に使用できる範囲とは思いましたが、ドラム式の方がふわっとして仕上がりが良いように感じました。普段たまに乾燥する程度であれば縦型も選択肢に入りそうですが、私の場合は乾燥メインで使用するため、やはりドラム式を選択することにしました。
ヒーター乾燥とヒートポンプ乾燥
洗濯機の乾燥方式には、ヒーター式とヒートポンプ式があります。ヒーター式は、電気を熱に変えて高音の温風を作って乾燥します。ヒートポンプ式は、除湿して効率的に乾燥させる方式です。
乾燥方式 | ヒーター式 | ヒートポンプ式 |
仕組み | ヒーターを水で冷やしながら約100℃の温風を作って乾燥する | 除湿して乾いた空気を温めて約60℃の温風を作って乾燥する |
衣類の傷み | 高温になるため傷みが気になる | 低温のため傷みにくい |
乾燥スピード | 湿度が高くなるため時間がかかる | 湿度が低いので乾きやすい |
光熱費 | ヒーターに水をかけ続け冷却するので水道料が高くなる | 少ない電力かつ冷却水も不要なため光熱費が抑えられる |
衣類の痛み・乾燥スピード・光熱費の観点から、ヒートポンプ式が優秀です。光熱費はざっくり2倍ほど違ってくるようです。デメリットとしては本体価格が高い傾向であることと、小型の洗濯機でヒートポンプ式を採用している製品はラインアップが限られていました。
パナソニック ななめドラム「NA-VX300AL」
まずは、これまで8年間使用したパナソニックのプチドラム(NA-VH300L)と同系統のシリーズから ななめドラム(NA-VX300AL)を候補にします。乾燥方式が同じく「ヒートポンプ式」で、衣類が痛みにくく光熱費も抑えられる方式です。操作パネルがボタンが増え、見た目がごちゃごちゃしている点が少し気になります。
パナソニック プチドラムCuble 「NA-VG740L」
デザインに関してこれが良い!と思ったのが、パナソニックの Cuble(NA-VG740L)です。無駄な装飾がなくシンプルなデザインで、8年間使用したパナソニックのプチドラムと同サイズ(約60mm×60mm)の小型洗濯機です。また、この機種よりも洗濯容量が大きく高機能な Cuble(NA-VG2400L)という洗濯機も、ステンレス素材で美しいデザインで魅力的でした。
シャープ コンパクトドラム「ES-S7D」
三つ目の候補は、シャープの コンパクトドラム(ES-S7D)です。こちらも約60mm×60mmの小型洗濯機で、Cuble ほどデザイン性は高くないものの無難な見た目で、価格が他と比べてお手頃なのが気になりました。
日立 ビッグドラム「BD-SX110E」
最後の候補は、日立の ビッグドラム(BD-SX110E)です。これまでの候補より容量が大きめの洗濯機も見ておこうと思い選びました。サイズがスリムでデザインに高級感があるのと、友人が「日立の風アイロンはすごい」と絶賛していたのを思いだし、乾燥をメインに考えている私としては気になる存在でした。
コンパクトなドラム式洗濯機の比較
各洗濯機のサイズや容量、乾燥方式など基本的な仕様を比較します。
比較項目/製品 | パナソニック ななめドラム(NA-VX300AL) | パナソニック プチドラム Cuble(NA-VG740L) | シャープ コンパクトドラム(ES-S7D) | 日立 ビッグドラム(BD-SX110E) |
サイズ | 幅 600mm 高さ 1,009mm 奥行 722mm | 幅 600mm 高さ 998mm 奥行 600mm | 幅 640mm 高さ 1,039mm 奥行 600mm | 幅 630mm 高さ 1,065mm 奥行 715mm |
洗濯容量 | 10kg | 7kg | 7kg | 11kg |
乾燥容量 | 6kg | 3.5kg | 3.5kg | 6kg |
乾燥方式 | ヒートポンプ式 | ヒーター式(排気式) | ヒーター式(水冷式) | ヒーター式(排気式/水冷式) |
消費電力 (洗濯乾燥) | 約990Wh | 約1,750Wh | 約1,600Wh | 約850Wh |
水量 (洗濯乾燥) | 約55L | 約57L | 約80L | 約53L(排気式) ※水冷式の場合の水量記載なし |
売り文句 | ・泡洗浄 ・パワフル滝 ・ヒートポンプ式 | ・泡洗浄W ・パワフル滝 ・約40 ℃つけおき | ・プラズマクラスター | ・洗剤自動投入 ・AIお洗濯 ・風アイロン |
第一印象では、見た目で Cuble(NA-VG740L)だったのですが、最終的に ビッグドラム(BD-SX110E)を購入しました。理由としては以下です。
乾燥容量は 5〜6kg ほしい
一日一人分の洗濯物が約1.5kg らしく(参考:我が家の適性容量は?|パナソニック)、我が家は二人で 3kg となり、そこにバスタオルなどを加えると乾燥容量は 5 〜6kg くらいほしいと思いました。
以前使っていた「洗濯容量7kg・乾燥容量3.5kg」の洗濯機でも毎回乾燥を使っていましたが、割とパンパンに入れてしまいシワになることがありました。比較していく内に気づいたので比較表には入れていませんでしたが Cuble の上位機種(Cuble(NA-VG2400L)など)は乾燥容量も増えるのでその辺りが候補に入りました。
ヒーター式でも省エネの洗濯機
ヒートポンプ式とヒーター式ではヒートポンプ式が光熱費の観点から優秀なのですが日立のビッグドラムは、ヒーター式にも関わらず抑えめの消費電力でした。運転時に発生する熱を乾燥時に再利用する「ヒートリサイクル乾燥」という省エネの技術らしく、電気代を抑えられます。
また、パナソニックの Cuble は、ヒーター式でも排気式という機外へ温風を排出する方式で、ヒーターを冷やすための水を使わないので水道代を抑えられます。他の洗濯機でも同じことが言えますが、一概にヒートポンプ式 or ヒーター式という比較ではわからなかった利点です。
どれを選んでも高額な買い物
色々な洗濯機をじっくりと比較する前は、「最新の機能にこだわりはないので最低限の洗濯と乾燥ができればよく、その分コストを抑えたい」と思っていました。しかし、並べて比較してみると本当に最低限の機能しかなくても結構高額で、各メーカーで呼び名は違えど「より洗浄力が強い」「清潔に保てる」という付加的な機能の有無では大きいコスト差は出ないのだと感じました。
日立のビッグドラムに決定
比較している製品の中では、シャープのコンパクトドラムが他と比べて安かったのですがビッグドラムや Cuble のようにヒーター式の光熱費を抑える機能などはなく決め手に欠けました。本来、ヒーター式は本体価格が安い分光熱費がかかるというものなので、当たり前ではあるのですが…。
パナソニックの ななめドラム(NA-VX300AL)が仕様だけをみるとちょうど良いのですが、操作パネルが古風すぎて個人的に受け入れられず…(個人の好みです、すみません)。最終的にCuble の上位機種(Cuble(NA-VG2400L))にするか日立の ビッグドラム(BD-SX110E)にするかで悩みました。
というか、見た目がかなりカッコ良かったので、もう気持ちは完全に Cuble(NA-VG2400L)となり、ビックカメラ.com のネット注文で申し込み完了の寸前まで行ったものの税込み価格の金額を見て躊躇し…そうこうしている内に「日立製品まとめ買い割引き」キャンペーンなるものが始まり、何これとなり、他にも買い替えたい家電があったので「見た目のデザイン<価格」となり、ビッグドラムに決まりました。Amazonで買おうかと思っていたのですが、ビックカメラの お買い得セール は定期的にやっているらしく、事前に毎年の流れを調べておくべきでした。
日立のビッグドラムは臭いのか、一切臭くない
決めたものの、高額な買い物なので口コミ情報や評価を一応調べると「ビッグドラム 臭い」「下水の臭い」「アンモニア臭」だの、「フィルター掃除や槽洗浄しても臭い」「乾燥を水冷方式にしても改善されない」だの、「洗濯物がドアパッキンの隙間に挟まる」「柔軟剤が臭いの元だから柔軟剤が使えない」などなど…。一方で、「全然臭くない」「初期バージョンは臭いけど改良された」という意見もあり、こんなに臭いに言及される洗濯機なのかと驚きました。
ネットの情報を見ると悪い口コミが多いようには見えるのですが、当時のビックカメラではこの機種はランキング一位で入荷待ちの状態だったので、本当に欠陥品なら、これだけの購入者からのクレームでもっと大きいニュース等になっているのでは…?と思いました。風アイロンの効果を絶賛している友人からも臭いのことは聞かなかったので、買ってみて本当に臭かったら返品しよう、と思い購入しました。
結果的には、全く臭くありません。臭いを恐れるあまり、初期設定で水冷方式にし、毎回自動洗浄設定をしましたが、一切臭いませんし、柔軟剤も普通に使っています。何よりも風アイロンがすごい。自動投入とAI機能に一切興味がなかったのに使ってみたら最高でした。最高すぎて、こんなに臭い臭いと言われていることに同情しました。詳しくはレビュー記事として書きます。