日立のビッグドラム(BD-SX110E)の購入レビュー
我が家で8年間使用した洗濯機が故障したので、コンパクトなドラム式洗濯機をいくつか比較した結果、日立の「ビッグドラム (BD-SX110E)」を購入したのでレビュー記事を書きます。
日立ビッグドラム (BD-SX110E)
サイズ | 幅 630mm 高さ 1,065mm 奥行 715mm |
洗濯容量 | 11kg |
乾燥容量 | 6kg |
乾燥方式 | ヒーター式(排気式/水冷式) |
消費電力 (洗濯乾燥) | 約850Wh |
水量 (洗濯乾燥) | 約53L(排気式) ※水冷式の場合の水量記載なし |
特徴的な機能 | ・洗剤自動投入 ・AIお洗濯 ・風アイロン |
以前は、洗濯容量7kg・乾燥容量3.5kgのパナソニックのプチドラムを使っていました。我が家は二人暮らしで、それでも足りる容量ではありましたが、乾燥機能を使う際にパンパンに入れてしまいシワになりやすいということがあり、もう少し余裕がほしいと思っていました。ビッグドラムの本機種は、洗濯容量11kg・乾燥容量6kgと十分な容量で、一方、洗濯機本体のサイズは奥行きが約10mmほど大きくなるだけで、スリムなサイズでした。
また、乾燥方式についてはヒーター式よりヒートポンプ式が光熱費の観点から優秀なのですが日立のビッグドラムは、ヒーター式にも関わらず抑えめの消費電力です。運転時に発生する熱を乾燥時に再利用する「ヒートリサイクル乾燥」という省エネの技術らしく、電気代を抑えられる点が魅力的でした。
しかし、口コミ情報などを調べると「ビッグドラム 臭い」「乾燥を水冷方式にしても改善されない」「柔軟剤が臭いの元だから柔軟剤が使えない」など臭いに言及される洗濯機なのかと少し不安に…。
当時(2020年1月)のビックカメラではこの機種はランキング一位で入荷待ちの状態だったので、本当に欠陥品なら、これだけの購入者からのクレームでもっと大きいニュース等になっているのでは…?と思い直し、ビックカメラ.com で「日立製品まとめ買い割引き」キャンペーンを見つけたのも後押しとなり、買ってみて本当に臭かったら返品しよう、と思い購入しました。Amazonで買おうかと思っていたのですが、ビックカメラの お買い得セール は定期的にやっているらしく、今回はたまたま見つけてラッキーでしたが今後は事前にチェックしておこうと思いました。ビッグドラム購入までの検討内容は以下の記事にまとめました。
一番の不安要素だった臭いについては、全く臭くありません。臭いを恐れるあまり、初期設定で水冷方式にし、毎回自動洗浄設定をしましたが、一切臭いませんし、柔軟剤も普通に使っています。何よりも風アイロンがすごい。自動投入とAI機能に一切興味がなかったのに使ってみたら最高でした。最高すぎて、こんなに臭い臭いと言われていることに悲しくなったので、レビュー記事として書くことにしました。
ビッグドラムの設置
私が買ったときは入荷待ちの状態だったので、購入後一ヶ月弱で業者の方に設置いただきました。洗濯機の下に置くかさ上げ台(参考:洗濯機用防振かさ上げ台 ふんばるマン(OP-SG600))も必要かと思い一緒に購入したのですが、業者の方にこの防水パンのタイプはかさ上げが不要と言われ返品しました(排水溝が横についているから?)。かさ上げしても良いけど、音がうるさくなると言われました。
見た目がシンプルで白っぽくて良い
この写真は設置したてですが、前面のシールを全部はがして使っているので、シンプルな見た目になってすっきりしました。「ロゼシャンパン」という色でしたが、思ったより薄い色で、洗面所の照明の影響もあるかもしれませんが白色に近い色で個人的には良かったです。
小型ながら洗濯容量11kg・乾燥容量6kg
これまで使っていたプチドラム(NA-VH300L)は、洗濯容量7kg・乾燥容量3.5kgで、サイズが 幅633×高さ1,023×奥行き595mmでした。このビッグドラム (BD-SX110E)は洗濯容量11kg・乾燥容量6kgと大幅に容量が大きくなったにも関わらず、サイズが 幅 630mm×高さ 1,065mm×奥行 715m で、幅と高さは変わりません。奥行きが防水パンに収まるか少し心配だったのですが、前側の足の位置は少し後ろに下がっているので、設置上の奥行きは540mmあれば収まります。この設置サイズであれば、小型洗濯機の分類となるので、賃貸マンション等で小型が良いが、容量は大きい洗濯機がほしい場合、最適な洗濯機だと思います。
一点注意が必要なのは、防水パンの奥行きにゆとりがない場合、設置には問題なくても約175mm前面にはみ出る形になります。我が家の洗面台の引き出しが洗濯機の横にあり、この影響で引き出しが引っ掛かり、半分程度までしか引き出せなくなりました。引き出し内の物を取る分には問題なかったので許容範囲としたのですが、買う前に見落としていた点だったので、実際に設置した場合にどうなるかは事前に確認しておいた方が良いと思います。
最初にするべきおすすめの設定
日立のビッグドラム (BD-SX110E)には、洗剤の自動投入・AIお洗濯・自動おそうじ・スマホ連携など、非常に便利な機能を多く搭載していながら、なぜか初期設定ではすべてオフになっています。また、乾燥時の除湿方式は日立的にも臭いの心配がなくなる「水冷除湿」がおすすめなのかと思うのですが、これもなぜか初期設定で設定されていません。いずれも一度設定しておけば、毎回作動しますので、以下の5点は最初に設定しておくことをおすすめします。
1. 洗剤の自動投入設定
洗剤と柔軟剤をタンクに入れておくと、自動で最適な量を投入してくれる機能があります。初期設定では自動投入がそれぞれオフになっています。洗濯機上部の「洗剤」と「柔軟剤」ボタンをそれぞれ押してオンにします。次に、自動投入する際の投入量とすすぎ回数の基準値を設定します。洗濯機でも設定できるのですが、スマホで設定すると洗剤や柔軟剤の銘柄を指定するだけで、自動で設定してくれるのでぜひ後述のスマホ連携をおすすめします。
2. AIお洗濯の設定
AIお洗濯は、汚れの量が多いときは時間を延長してしっかり洗ったり、反対に汚れの量が少ないときは早く終了させ節約してくれたり、洗剤の種類や水の硬度・水温などの複数の観点から自動で良い感じに洗ってくれる機能です。初期設定ではAIお洗濯がオフになっています。洗濯機上部の「AI」ボタンを押してオンにします。
3. 自動おそうじ設定
通常、洗濯槽クリーナーを使って洗浄をすると思いますが、自動でお掃除をしてくれる機能がついています。洗濯のすすぎが終わった後に、きれいな水道水を使って洗濯槽の裏など見えない部分の汚れを自動で洗い流します。設定すると運転時間と水量が増えますが、一回あたり約2.9円で掃除の手間を減らせます。洗濯槽クリーナーを使う槽洗浄の頻度は、1〜2か月に1回が推奨ですが、自動おそうじ設定をしておくと、槽洗浄は3〜4か月に1回と頻度を減らすことができます。初期設定では自動おそうじがオフになっています。洗濯機上部の「AI」ボタンを3秒以上押してオンにします。
4. スマホで操作する設定
「洗濯コンシェルジュ」という専用のアプリで、スマホから洗濯機をリモート操作したり、各種設定や、本体に搭載されていないコースを新しくダウンロードして使うことなどができます。使う前は不要と思っていたのですが、使ってみると便利なのでWi-Fi環境のある場合は設定をおすすめします。アプリをダウンロードして会員登録し、Wi-Fiに接続して連携設定をした後、洗濯機上部の「リモート」ボタンを押すと操作できるようになります。
5. 乾燥の除湿方式の設定
乾燥方式は、運転時に発生する熱を乾燥時に再利用する「ヒートリサイクル乾燥」というもので、電気代を抑えられる日立の技術を使っています。除湿方式は二種類あり、湿気を排水溝に捨てる「空冷除湿」と、水を使って温度を下げ、水滴にして排水する「水冷除湿」があります。この除湿方式については、カタログや説明書などに詳しく使い分けが書いていなかったのですが、ネットの情報からは、住居の排水の形状によって臭いが上がってくる可能性があるのが「空冷除湿」で、それより水道代が少し増えるが臭いの心配がないのが「水冷除湿」という理解をしました。初期設定では「空冷除湿」になっています。洗濯機上部の「乾燥」ボタンを3秒以上押すと「水冷除湿」に切り替えができます。私の場合は、業者の方が「水冷除湿がおすすめ」ということで設置時に設定してもらいました。
洗剤自動投入とAIお洗濯
ビッグドラムの売りである、洗剤の自動投入・AIお洗濯・風アイロンなどの効果を確かめるため早速洗濯したいと思います。
ちょうど新しくタオルを買ったので、洗濯してみます。一度も使っていないタオルなので乾燥すると毛羽がすごそうですね…。
洗剤と柔軟剤の自動投入
洗剤と柔軟剤は自動投入できます。洗剤タンクは約1,000ml、柔軟剤タンクは約700ml入ります。洗剤は液体だけで粉末洗剤は自動投入できません。ハンドル付きで取り外し可能なので、水洗いができます。
いつもと違う洗剤や柔軟剤を使いたい場合や、自動投入のタンクに入れることのできない粉末洗剤・液体石けん・漂白剤を使いたい場合は手動で投入することができます。なお、ジェルボール型洗剤やビーズ状の仕上剤などは、ドラムに直接入れて普通に使うことも可能です。
ヤシノミの洗剤と柔軟剤を使っているのでこれを入れます。ちなみに最初に入れる洗剤と柔軟剤は、適当なものではなく普段使っているものを選ぶ方が良いです。洗剤・柔軟剤の種類を変える時はそれぞれのタンクを洗う必要があるのですが、私は洗うのが面倒くさいのでヤシノミと決めてこれをずっと使ってタンクは一度も洗っていません。この写真の洗剤は600mlなのですが、大容量タイプ(ヤシノミ 洗たく洗剤 900mL)があると知らず、こっちを買えば良かった…。
こぼすと汚れるので、タンクを取り外して入れるのが良いと思うのですが、面倒くさいのでそのまま入れます。
AIお洗濯は自動だから何もすることがない
「洗▶︎乾」を押して、スタートボタンを押します。すべて自動なので、とくに書くことがない…。自動で重さを感知し、最適な洗剤と柔軟剤を投入してくれました。
洗濯から乾燥まで、2時間もかからずに終わりました。前まで使っていた洗濯機は古かったせいか長時間かかっていたので、あまりに早くて驚きました。
タオルは買ってきたときより、ふわっふわになっていました。
乾燥が終わり、臭いのかどうかだけがずっと気がかりな洗濯機だったので、恐る恐る洗濯機周辺に行っても臭くなく、排水溝付近も全く臭くありませんでした。心底ホッとしました。排水溝の形状も、こんなに密閉されてたら臭くなりようがないのでは?とも思いました。
風アイロンすごい!
友人も絶賛していた風アイロンの効果を確かめたかったので、いくつか試してみました。
まずは会社で使っている普通の白シャツです。本物のアイロンほどではないものの、目立つシワはなく綺麗な状態です。乾燥機でこの仕上がりは感激しました。十分会社に着て行くことのできるレベルです。
次に、色のついたグレーのシャツです。色付きの方がシワが目立つかと思ったのですが、パッと見普通に綺麗です。こちらも普通に出かけることのできるレベルです。
最後にハンカチです。ハンカチはピシッとしていた方が気持ち良いですが、普段使いならこのレベルで満足です。風アイロンは、確かにすごいです。さすがに普通のアイロンほどではないものの、部屋干しするよりは綺麗で、目立つシワはなく普段使いなら十分満足できるレベルでした。
スマホ連携「洗濯コンシェルジュ」
スマホから洗濯機をリモート操作したり、各種設定ができる連携機能があり、買う前は必要性を感じていなかったのですが、使ってみると便利だったのでこちらもご紹介します。Wi-Fi環境と、「洗濯コンシェルジュ」という専用のアプリをインストールする必要があります。
外からでもリモートで洗濯ができる
洗濯機から離れている部屋や、外からでもリモートで操作ができます。私自身はリモートで洗濯をスタートさせる使い方は必要としていないのですが、帰宅時間に仕上がるようにできる、という使い方を想定しているようです。AIお洗濯情報の項目で、汚れ具合等で洗濯時間を調整している状態が見れ、AIお洗濯が効率よく働いているな〜という実感はできます。
プッシュ通知が便利
私が便利だと思っているのは、プッシュ通知機能です。家で音楽を聴きながら仕事等をしているときにはこの通知が終了をお知らせしてくれるので助かります。
洗濯終了時の他にも、エラーが出た際に、プッシュ通知でお知らせしてくれ、エラーの内容と直し方までスマホで見ることができます。いちいちエラーコードを説明書と照らし合わせる必要がないのが楽でした。また、乾燥フィルターや洗濯槽の清掃が必要なタイミングもお知らせしてくれるのも嬉しいです。洗濯槽は数ヶ月に1回の掃除なので忘れがちになるので助かっています。
コースを選ばなくても衣類の種類でおまかせ
洗濯機には、様々なコースがあり、おしゃれ着コースとデリケートコースの違いって何?な状態になるのですが、コースを選ばなくても衣類の種類を選ぶだけで適切な洗濯を行ってくれる機能もあります。まさに洗濯コンシェルジュですね。
その他には、洗剤や柔軟剤の銘柄を指定するだけで、投入量やすすぎ回数も自動で設定してくれる機能や、これはまだ使っていないのですが、タンク内の残量と家にある在庫から判断して、洗剤や柔軟剤を使い切る前にアプリが自動で発注してくれる機能まであります。また、本体に搭載していない洗濯のコースを、スマホからダウンロードしてコースを増やすこともできます。
お手入れ
最後にお手入れに関する内容をまとめます。お手入れに関しては、乾燥時の糸くずなどを取るのが面倒くさいです。でもこれは、どのドラム式洗濯機も同じだと思うので毎回の作業として慣れると直ぐ終わるので、仕方ないですね。新品のタオルを洗った後の状態で、各お手入れ箇所を頻度と合わせて紹介します。
ドアの内側(乾燥後に毎回)
乾燥後、ドアの内側に糸くずが付くので取ります。サッと拭くだけです。
ドアパッキン周辺(乾燥後に毎回)
ドアパッキンにも糸くずが付くのでここも拭きます。
ドアパッキンの内側も溜まるのでここも忘れずに拭きます。
乾燥フィルター(乾燥後に毎回)
次に、乾燥フィルターに付着した糸くずを取ります。
乾燥フィルターは垂直に引き上げて取り外せます。
フィルターケースを上に引き上げることで、付着した糸くずを取りやすくしています。ゴミ箱の上で引き出すと、糸くずをしたに落とすことができます。少しでも手間を省く工夫が見られて良いのですが、それでも少し糸くずがフィルターに残るのでそこもサッと拭きます。
内部にもフィルターがあり、そこも外してサッと拭きます。
新品のタオルのでせいでかなり糸くずが多いですが、普段の洗濯ではここまで出ません。でも拭くだけで簡単に取れます。
乾燥フィルターの奥(数回に1回)
乾燥フィルターの内部の奥にも糸くずが溜まります。ここは毎回掃除しなくて良いのですが、数回に一回糸くずを取ります。お手入れのタイミングはスマホのプッシュ通知でお知らせしてくれます。
糸くずフィルター(15回に1回)
排水部分の糸くずフィルターは15回に1回でお手入れの通知をしてくれます。実際は、開けても糸くずが溜まってないことも多く、たまにしか掃除していません。衣類の種類にもよるかもしれません。
糸くずフィルターのカバーをつまんで回して開けます。
この中の部分に糸くずが溜まります。
新品のタオルを洗ったときは毛羽がすごく、一気に溜まりました。普段の洗濯ではほとんど溜まりません。
逆さまにして、糸くずを下に落とすことができます。突起のところに糸くずが入り込んで取れにくいので、私は水道の流水で洗い流して取っています。
洗剤タンクと手動投入部分(汚れたら)
洗剤と柔軟剤のタンクや、手動投入部分は汚れたら洗います。私は手動投入は使っておらず、自動投入タンクも洗剤の種類を変えていないのでまだ一回も洗っていません。面倒くさいのでこのまま洗剤の種類は変えずにこのままいこうと思います。
洗濯槽の洗浄(3〜4ヶ月に1回)
洗濯槽クリーナーを使って行う洗濯槽の洗浄は、3〜4ヶ月に1回です(自動おそうじ機能を設定している場合)。スマホのプッシュ通知でタイミングはお知らせしてくれます。クリーナーを入れてボタンを押すだけなので簡単なのですが、なぜか少しサボっています…。
基本的な日常のお手入れとしては、以上のとおりです。乾燥のたびにドアの内側とドアパッキン・乾燥フィルターの糸くずを取り除き、たまに糸くずフィルターと乾燥フィルターの奥を掃除します。洗濯槽の洗浄は気が向いたら、です。糸くずを毎回取るのは面倒ですが、ドラム式洗濯機で乾燥を使うのであれば仕方ない部分ですね。糸くず取りもいつか完全自動化された洗濯機が出て欲しいです。
まとめ
日立の「ビッグドラム (BD-SX110E)」は、洗剤の自動投入・AIお洗濯・自動おそうじ・スマホ連携など、非常に便利な機能を多く搭載しています。洗濯機を購入する前は、自動投入とAIお洗濯に必要性を感じていなかったのですが、使ってみたらもう手放せないです。何もしなくても自動で良い感じにしてくれるのが楽です。そして、風アイロンがやっぱりすごい。一番の不安要素だった臭いについては、全く臭くありません。お手入れは少し面倒ですがドラム式洗濯機であれば全般的に面倒くさいので仕方ないです。総合的には日々の洗濯がかなり楽になり快適になって最高です。